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人型兵器の腰廻り・駆動系について考えてみる(追記完成ver )

大変長らくお待たせ致しました。
前回の股間節研究記事からはや二ヶ月・・・ようやくその駆動系に関する記事を書く事になりました。
また、追記による解説も完成致しました
※当記事は「股関節の緩衝装置に関する記事」の続きにあたりますので、そちらの解説(特に最初のイラスト)を見ておかないと「なんだこのワケわからん機構は」といった事になりかねませぬので、未見の方、あまり覚えていないはこちらからご参照ください
放課後説教時間
今回の記事は股関節駆動系の中でも、特に出力・衝撃吸収力を要求されてくるタテ方向の動力を中心に考察します。
タテ方向、すなわちピッチ方向の駆動は、歩行・衝撃吸収の面に強く影響する部分です。
人間が歩行する際もタテ方向に脚を動かして地面を蹴り、前進するワケでありますから、このタテ方向の駆動力が強いとそれだけ地面を蹴る力が強くなる=速く、力強く前進できるという事ですな。
また、タテ方向の動きはヒザ間接と連動してバネの作用も行ないますから、路面からの衝撃を吸収する緩衝装置の役割も果たします。
よってタテ方向の駆動力は高い出力と緩衝能力、そして絶対的な信頼性が要求されてくるワケでありまする。

しかし動力の高出力化は動力の大型化を伴うのが常、脚部にそんな巨大で重たい動力をたくさん設けてしまったらバネ下重量(クリックで詳細)が肥大化し、結局、脚部の駆動効率が低下しかねません。
パワーはとても欲しいけど可能な限り脚部に装着する重たい動力は減らしたい・・・ついでに股関節を大型にしすぎると人型から離れるし・・・という考えも出てきますな。
そこで考え至った結果がコチラ↓
12式・股関節駆動系(油圧ver)
↓いいかげんな図にするとこんな感じ(クリックで拡大)
股関節駆動系の図よん
股関節の緩衝装置の記事のイラストを参考にしていただくと少しは解りやすくなるやもしれませぬ。
まあ何がどうなったかというと、動力源を脚部から切り離し腰部に取り付け、シャフトを介して脚部に駆動力を伝えるという機構にしたという事です。
動力源はバネ下重量に影響を与えない腰部側に搭載し、緩衝装置の向こう側にある脚部をシャフトで回す。自動車のドライブシャフトを連想させる機構ですな。
シャフトがある分、重量そのものは脚部に直接動力を取り付ける方式よりも若干重くなりますが、股関節を緩衝装置(バネ)としたときのバネ下重量はそれ以上に低減できます。

・・・そして問題になってくる肝心の動力でありますが、イラストでは油圧を採用しとります。モーターでは出力が途切れたとたんに縦方向の可動抵抗が激減してしまうので、新体操の選手みたいになってしまうと考えたからであります(素直にモーターが信用ならんと言えばいいものを・・・)。
その油圧の駆動系に関してでありますが、そちらは追記にて解説していきます。
というワケで続きからどーぞ
とかいいつつびしょうぢょがいないとやってけないのである
・・・・え、それほどうpしてないって?
さて、まずは駆動系の各部分を色分けしてみます。
駆動系・着色図
断面図にするとこんなかんじ
駆動系・断面図
赤い部分がハウジングでこの部分は骨格に固定(あるいは骨格として機能)されます。
黄色い部分が油圧制御シリンダです。
斜めに配置されたこのシリンダの伸縮によって中央のハブ(緑)に回転運動を行わせます。
シリンダ伸縮の回転運動への変換の図
↑原理についてのは図こちら。クリックで拡大します
図を見ると、構造そのものは至って(?)シンプルであります。
こうすることでシリンダは射撃時の反動を抑えるアクティブサスペンションの役割も果たしてくれると期待してみたり。

ただ、多くの方がとりあえず「これだけじゃ可動角がさっぱり足りないんじゃない?」と思われるでしょう。
実際これだけでは出来る動作がかなり限られてきます。単純な歩行こそ可能なものの、屈伸・起き上がり・立てヒザ・体育座り・体育座り・体育座り・体育座りetc・・・等の動作は不可能ですな。
・・・いやァ体育座りできないって問題ですよね、まず運用する上で輸送車両・輸送機にコンパクトに積載出来なくなりますし、背中に昇降口を設けるなら体育座りが一番安定してますし、アッガイの魅力を殺すようなもんでs(ry

ゲフンゲフン。まあそういった事情があり、今回はその解決策として同じ機構をハブの延長線上に設ける事にしました
上図のハブから外された状態のシリンダが延長線上にある駆動系であります。
このシリンダの伸縮により今度は青のフライホイール(50円玉みたいなの)が回転し、直結されたドライブシャフトを駆動します。
構造上だいぶ整備性が低下するうえ、ハブの耐久性をより強く求められる事になりますが、可動角は単純計算で二倍、後退方向への可動角は前進方向ほど大きくなくて良いという事を考慮すると、その分さらに前進方向への可動角を稼げる事になります。
つまりこれで体育座りや縦ヒザが出来るようになるということ。スミ(ry
なんかまだ角度足りない気がする・・・

・・・ところでココからは自動車に関する知識を持っとられる方には多少おもしろみの無い文になるやも知れませぬ。それは何かというとドライブシャフトに関しての解説であります。
この機構においてドライブシャフトは当然ながら股関節のサスペンション機構のストロークに合わせて上下に変形させるためのジョイントを設ける必要があります。
ユニバーサルジョイントの機構
ユニバーサルジョイント・曲がった時の回転差について
変形するジョイントといえば↑の「ユニバーサルジョイント(十字継ぎ手ともいう)」が何かと有名ですが、この方式は繊細な動力を伝えるには不向きです
シャフトがまっすぐの状態で回転しとる時は問題ないのでありますが、問題は曲がった時の特性です。
手元にある何かしらの十字継ぎ手で試してみるとよく解るでしょうが、ジョイントが曲がった状態では十字の部品が捻り込まれることによって(文章で説明すると難しいのう)、駆動側と受動側の間で回転に揺らぎが生じてしまうのであります。
一回転における回転数は同じですが、受動側はその間に「回転の速い角度」と「回転の遅い角度」が生じ、細かい角度調節にズレが発生するというワケです。
等速型ドライブシャフト
そこで登場するのがこちらの「等速型ドライブシャフト」であります。
一般的に駆動側にトロコイド型、受動側にバーフィード型という別々の方式の等速ジョイントが設けられとります。
等速型はユニバーサルジョイントに比べ、コスト・耐久性・可動角の面で不利ですが、代わりに速度に揺らぎが生じず、安定した出力を伝達できます。またトロコイド型の方は若干の伸縮が可能で、サスペンションの動きに柔軟に追従できるようになっとります。
よって脚部のような高速かつ繊細な制御を必要とされる駆動には、等速型ドライブシャフトの方が優れていると言えます。

こんなところか。
股関節の駆動系はなかなか難しい課題で、実在のロボット開発においても様々な試みが行われとりますが、今回はそれらとはまた異なる独自の路線で自分なりに車両サイズの人型兵器の駆動系について考えてみたといった記事になりました。
このあたりの機構は、設計される各々の「要求される特性」によって大きく変化していくやもしれませぬ。
今回の記事も「その変化の一つ」として考えて頂ければ良いと思います。

さて、次回は年末の報告うんぬんをやっていこうかなといった所であります。
コミケ1日目はライールヘッドを持ってくる可能性高し。中に入れて被らしてくれるサークルさんいないかなー(図々しい男よのう・・
おまけ:更新が遅れたお詫びに適当な落書きを(こやつ反省しとらんな・・・)※看板娘ではありません
一部の方はそろそろ私が縦セタ趣味の変態であることに気づかれたやもしれませぬ。
え、ぱんつがない?気のせい気のせい。

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No title

脚部の駆動がクランクみたいな感じになるのかな?

こいつが蛸壺を掘って潜ってる姿を想像したりして、人型の意味は・・・と一悶着。
存在意義を与える方が技術的な面より難しそうですね。

ちなみに自分はYシャツ派、縦セタという概念はなかったがなかなかいいですな(。≖‿≖)

Re: No title

>>icbm氏

油圧を制御してシリンダを膨張・収縮することでドライブシャフトを回し、脚部を動かすという意味では似とりますな。
ただ他の関節に油圧アクチュエータの駆動系を与えるのと同じく、一応細かい制御は可能ではないかと思われます。うん、多分。ついでに緩衝作用を持たせられれば理想です。

・・・とわいえSFメカのシリンダ慣れした私の個人的な趣向も混ざっとるので、あくまで「油圧でやるとしたらこんな手もある」という提案の一環というレベルの物です。
ドライブシャフトを介して脚を動かす(実際のシャフトは図のものよりだいぶ短くなりそう)事でバネ下重量を減らすという案の方もそんな感じでお考え下さい。

人工筋肉を用いればこういった面倒な機構もだいぶスッキリまとめられそうでありますが、今回はまだ本格的な実用化に至っていない技術は記事に持ち込まない事にしました。

>ちなみに自分はYシャツ派

私もYシャツは好きであります。というか縦セーターに目覚めるまではもっぱらYシャツに傾倒していた感じです。
しかしある日、縦セーターの厚着でありながらボディーラインをくっきりと写すあの縦のラインを知ってしまい、気がつけば縦セタ信者となっとりました。
最も隠すべきはずの肩とおなかと豊満な胸の輪郭をくっきり写すあのラインは身に着ける者の肉体を容易に想像させまたそれが厚着であることがさらに本来健全であるはずの冬モノの衣類というシステムに矛盾をもたらし見るものを葛藤と焦燥と浪漫と欲情とうわなにをするやめろ(ry

No title

縦セタで何が悪いというのですか!
あ、でも誤魔化すところは誤魔化せて、強調したい所は強調できてと、衣装として非常に合理的だからであって、決して(ry

Re: No title

>>わるきゅーれ氏

あれはいいものだ・・・ジオンがあと10年戦えるくらいにな・・・
見るからにもふもふしたあの衣類はまるで私に飛びついてクンカクンカしろといわんばかりの・・・おっと、誰か来たようだ。

No title

やっぱり必然的に股関節部分は複雑で大きくなりそうですな。
そうなると弱点も腰周りということに・・・
もしかして「その股座にロケット○ァーンチィ!」は人型兵器に有効打?
なんとも男にとっては辛い話になりそうな・・・

>>縦セタ
縦セタ!そういうのもあるのか。おかげで新しい属性に目覚めました。うへへ
縦セタ教官と呼んでもいいですか駄目ですかそうですか。

No title

>シャフトがある分、重量そのものは脚部に直接動力を取り付ける方式よりも若干重くなりますが、股関節を緩衝装置(バネ)としたときのバネ下重量はそれ以上に低減できます。

10式のアクティブサスとかとある意味逆で、ある意味同じ方向の発想というのか「一面だけで考えると面倒・非効率だが、優先順位・効果への重みを考慮するとリターンは正」という話でしょうか。「推力任せは非効率」と言われつつ推力偏向ノズルが実現したような。

あと、2系統の軸を腰部でひとまとめにした場合、日産の「スーパーモーター」という「一つのモーターで2軸を別々に駆動・制御」できるものがあるらしいのですが、使ってみると面白そうなんでしょうか?

>どうした王子
そこはせっかく拝命したのですし「どうしたライール君」の方が、こう……破壊力が出るかと。君付けで。

Re: No title

>>ogt氏

まあ元々脚部駆動の要といった部分ですしな。問題は装甲処理をどうするかでしょうか。
単純に腰廻りの装甲を厚くするか、他の部位の装甲に腰廻りの防御を兼ねさせるか。ただ、要となる脚部可動軸のまわり、つまりはすぐ近くを装甲で覆うため、モーメント的には装甲を強化してもスネやツマ先を装甲強化するほどには脚部の可動効率は落ちないと思われます。

縦セタは寒い時期にしか登場しないせいもあってまだまだマイナー路線ですが、ヒロインとかが季節の変化とともに服装を変える一環で着てくれるのを楽しむのもまた一興ですな。
某作で桑島法子が中の人やってるヒロインの私服姿が縦セタだったのを見たときは歓喜のあまり逆流したモンです。

Re: No title

>>E氏

>「一面だけで考えると面倒・非効率だが、優先順位・効果への重みを考慮するとリターンは正」という話でしょうか。

そんな所です。ただこの方式の場合、ドライブシャフトの強度とねじれ剛性を考慮する必要があります。
見本絵ほどドライブシャフトが細く長くなくとも、また自動車のような高回転時の振れによる破損を考える必要がなくとも、絶対的な信頼性は間違いなく直接動力に劣ります。
そのリスクへの対処も含めどれほどの効果が期待できるかが課題ですな。

実際、この方式の元ネタである「インボードブレーキ」も信頼性と実重に泣かされました。何を隠そうソレをF1に載せようって話でしたからな。軽いシャーシに載せる上で重量を減らしたいからシャフトを細くしたらポッキリ・・・
考案したのはF1車両の設計業界に数多くの革命をもたらしそれ故に挑戦の一環として数多くの珍設計も作り出したF1界の変態技術者コーリン・チャップマンでインボードブレーキの他にもツインシャーシ構想やガスタービn(ry

・・とわいえ現代においても陸自のメガクルーザーに採用されとるくらいですので、絶対に信用できないというワケでもありませぬ。


>「スーパーモーター」

なるほどそれは興味深いですな。ちょいと調べてみます。


> せっかく拝命したのですし「どうしたライール君」の方が、こう……破壊力が出るかと。君付けで。

それも良かったやもしれませぬな。
まあ字数的に短いほうが(吹き出しのスペース的に)良いかなと考えて王子と書いたってのもありますが(え、それなら水没の方が良いって?ノーカウントだノーカウント!)。

どうでもいい話ですがバーチャロンマーズで若本紀夫に「待っていたよ、負け犬君」って言われたのを思い出しました。

No title

油圧シリンダを用いた股関節の構造は、一般的にもテンプレらしい物があまり存在しない難題ではあり、それに「無理だ無理だ!」と揚げ足を取る様な事を言うのも無粋だと思うのですが、この構造はシリンダやシャフトの信頼性が足りない気がします。

(私はピッチ軸が基部になる股関節自体否定的ではありますが、まぁそれは置いておいて)直線的なシリンダを仕込むよりは、「油圧のエネルギーを繊細に回転運動に反映させる機構」を考えてしまった方が良いのではないでしょうか。
例えばロータリーエンジンっぽい物の油圧版みたいな物というか?円筒状の空間を、シャフトから伸びる突起で仕切って扇状の空間を作って、扇状のシリンダとして用いるとか・・・?すいません、言葉で表現し辛いです。重機の世界では既にあるかも知れませんね。
それと、歩くだけでなく、転んだ状態から立ち上がったりする動作まで考慮すると、股関節のピッチ軸回転としては、可動域が足りない(※1)気がします。

この構造には、バネ下重量を下げて運動効率を高める意図があるそうですが、バネ下の軽量化によるメリットは、脚部歩行と、車輪による走行とでは、受ける影響がまた違うのではないかと思います。
砂漠の狸さんはそちらの専門だという事なので、あえて言うまでも無い話でしょうが、自分の復習のために確認しますと、バネ下軽量化のメリットとしては、
・軽い物程振動の周波数が少ない=凹凸でタイヤが跳ねるのに対し、バネ下が軽い方がより素早く着地出来る。
・車輪の回転慣性モーメントが小さくなる=車輪を回す際、車輪そのものの回転によって損耗するエネルギーが小さくなる。
・車輪のジャイロ効果が減少し、より小さなエネルギーで操舵が出来る=ハンドリングが速くなる。
等が考えられるそうですね。
他にも何点かメリットが挙げられていましたが、トラクションやコーナーでの重心移動の話でした。

こうして列挙してみると、バネ下軽量化のメリットというのは、割と単純な理屈で理解出来る物であると考えられます。そして、この中で脚部歩行に影響しそうな要素を考えてみると、主に中者の慣性モーメント関連が考えられます。更に、脚部歩行で脚部が受ける慣性モーメントを考えると、特に連続した歩行において、連続して受ける慣性モーメントは、脚の末端部程大きくなる(※2)と考えられます。
そう考えると、股関節に緩衝装置を設けるとしても、重量をその基部側に寄せるか、末端側寄せるかでは、それ程大きな差は生まれないのではないかと考えられます。

最後に、股関節駆動系図についてですが、股関節にヘッド軸が足りないと思います。
相変わらず批判的なダメ出しだらけのコメントで申し訳ありません。
あと、長文ですいません。

(※1人間が仰向けの状態から起き上がる場合、転がってうつ伏せになる、周囲の物につかまる等様々な動作を取りますが、その殆どは、硬質な機械部品で構成されるロボットでは使い辛いものです。
実際、起き上がれるホビーロボットの動きって凄く変な物ばかりですよね。
転倒対策、起き上がり動作の考証は、は戦闘をするロボットには避けられない課題ではないかと思います。
ちなみに、依然紹介した私の「関節真剣ロボ」は、恐らく転んだ状態から自力で立ち上がる事は出来ません・・・)

(※2言うまでも無い話ですが、脚部歩行でも、加速後、慣性を利用して前進するという要素はあります。
動歩行は連続した転倒を繰り返し、その勢いを利用して左右の足で交互に体を前に送り出す歩行ですが、このとき、胴体部はスムーズなバケツリレーの様に、慣性を利用して前進している訳です。
これに対して、脚部の末端は、歩行速度の倍の速度で前進し、停止するという動作を繰り返している事になります。極端に言えば、脚の末端は連続した歩行であっても、一歩毎に慣性モーメントを受けている事になります。
では、脚部の根本に近い部分はどうかと言うと、加速と原則を繰り返してはいますが、前身の慣性も受けていると考えられます。即ち、一歩づつ立ち止まるので無い限り、歩き続ける場合、脚部の末端に近い程慣性モーメントを受けると考えられます。
自身との相対的な移動量で考えて、「連続した歩行」を「停止して足を振る>止めるを繰り返している状態」と考えても、同じ解釈が出来ますよね。)

Re: No title

>>三頭兵氏

確かに信頼性の面では不安の残るビジュアルですな。シリンダ自体はもう少し太くなるやもしれませぬが、大きなスペースを取るうえに中身はなんだか剛性不足という印象を受けまする。


> 「油圧のエネルギーを繊細に回転運動に反映させる機構」

細かくコントロールするというよりは単純に一方向からの油圧でタービンを回すといった機構になりますが、ショベルカーのクローラの駆動に使われとる機構が油圧を直接回転力に用いとります。
ただコレでは一方向にしか力が生じず、静止時のどのトルクが制動装置頼りになってしまうので、「正転側と逆転側の両方から常に油圧を発生させ、それぞれの油圧を変化させることで前進後退させる」という機構にするといった所でしょうか。

要求される出力の関係でスペースの面ではシリンダ式とどっこいでありますが、確かに構造は非常にシンプルになりそうです。整備も間違いなくたくさんのシリンダを点検するより楽ですし。

問題は角度調節の難しさでしょう。関節の可動角を感知するのが油圧そのものでなく外部の角度センサーによる事になるでしょうから、制御系の信頼性を求められてきます。
また原動力の油圧ポンプやバルブの信頼性も求められますし、タービン型ポンプは密閉性を求められる部位の面積がシリンダよりも大きくなりますから、結局そこまでシリンダ式と信頼性の面ではアドバンテージが無いやもしれませぬ。


> 歩くだけでなく、転んだ状態から立ち上がったりする動作まで考慮すると、股関節のピッチ軸回転としては、可動域が足りない気がします。

それは私も特に感じる点でありまする・・・
もともとこの機構は腕に持たせた火器の射撃反動を直接受ける肩の可動部の動力として考案した物で、その場合はあまり可動角を求められないと考えとりました。
脚部に転用するにあたり、この可動角の無さに泣かされた訳でありますが、この問題は今回、肩ほどの強い衝撃は受けないであろうと判断し、シリンダ機構をふたつ繋げた物にしてどうにかした(?)といった感じであります。
詳しい配置は後日更新時に解説いたしますが、これでももうちょっと角度は足りないやもしれませぬな・・・
脚を前に出す角度はしゃがみ分も必要とされますが、後ろに出す角度はしゃがみを考えないで良いぶん少なくて済むため、しゃがみ状態を基準とし、ニュートラル時(立っている時)のシリンダの減衰状態をずらせばなんとかなるやもしれませぬ・・・我ながら文章で書くのが難しい・・・


> ※2)

脚部の末端の重量物が重くなるのは、全体から見て低重心化にもつながり、静止時の射撃などの面においても良いとも考えられますな。
ただ、人型兵器に要求される性能を考慮すると、「急発進・急な姿勢変化」への対応もやはり求められると考えます。
主戦場となるであろう市街地戦闘はずっと歩行し続けるというよりはストップ&ゴーの連続でしょうし(瞬発力の良さで戦車を翻弄できますし)、また被弾時や不正地で脚を踏み外した時の大きな姿勢変化に対応するためにも、脚をすばやく踏みなおして不安定な姿勢からいち早く復帰する必要があります(ビジュアル的には表現されませぬが、ACシリーズの被弾時の硬直がこの踏みなおし工程とも考えられる・・・?)。
そういった意味では慣性モーメントを大きく受けない構造もまた要求されてくると思われます。
そこらへんをどうするかは想定される戦場次第で決まってくるといった所でしょうか。

同じ回転慣性モーメント関係で例を挙げるならエンジン回転のはずみ車たるフライホイールがこれにあたるでしょう。
一般的に自動車に用いられるフライホイールは、直線主体の道が多かったり、国土の広い(長距離を走行する)国の物ほど重くなる傾向にあります。
そのため、信号すらほとんどない直線を走るアメリカの自動車のフライホイールはとても重いです。街中ばかり走る日本車やヨーロッパ車はそれにくらべると軽量な物が採用される傾向にありますな。
またエンジンの排気量にも影響されてきます。大きいエンジンを積む車ほど大きなトルクを持続させるために(また回転力そのものが大きいから)重い物が採用されとります。
もちろん街中を走る小型車のものも人間が重く感じるくらいの重量はあります。

それらに比べてレーシングカーのフライホイールは特殊で、より高速で回転し、急速に制動し、そこから急速に回転させるという迅速な回転の変動を考慮して、非常に軽いフライホイールが採用されとります。

このように、要求される性能に応じて、人型兵器の慣性モーメントに関する考え方も違ってくるのではと考えまする。


> 股関節にヘッド軸が足りないと思います。

サスペンション部にステアリング機構を持たせる事で可動する・・・なんてのは考えとります。
また、脚部が曲がったときは今回のピッチ可動と同じ原理(構造的にはまったく別物でだいぶ単純)の機構をモモに設けることで、脚部を外側にひねる(ハの字にする)ようにできる機構を搭載しとります(斜めに配置さてたシリンダがソレ)。

数日ほど不調だったものでコメ返事がだいぶ遅れてしまった上、まだまだ説明不足な部分もあって申し訳ない・・・
記事の追加考察はもうすぐ更新予定であります。

No title

>「油圧のエネルギーを繊細に回転運動に反映させる機構」
既存の重機、産業ロボットにおいては、油圧で関節を曲げるのなら、普通に外部にシリンダを取り付けるか、それで角度が足りないのなら、パワーショベルの手首部の様なリンクを用いて可動域を補填するというのが一般的ですから、「関節の軸に内臓される油圧構造」というものが一般的でないというだけではないでしょうか。
油圧とはそもそも、(回転動力を)油圧ポンプを用いて圧力に変換し、圧力をシリンダを用いて平行運動に変換する構造に過ぎませんから、圧力を回転動力に変換する構造を考えてしまえば済む事だと思います。

また、油圧シリンダはパスカルの原理の影響を受けるため、末端の「受け」側のシリンダが小さい程、ポンプ側に要求される力が大きくなってしまうという点も、問題になって来ると思います。

>慣性モーメントについて
まわりくどい説明で誤解されてしまったかも知れませんが、前回のコメントは「バネ下軽量化のメリットは、慣性モーメントに関する事が殆どであり、二脚歩行ロボットの場合、慣性モーメントに強く影響を与えるのは脚部の末端側であるから、重量物の一部が股間部のバネ上にあるか、バネ下にあるかというのは、それ程大きな問題にならず、脚部の末端を軽量化する方が重要では無いか」という話です。

それとは別件として、私としては、ロボットの脚部の重心を低くする事によって安定性を高めるというという手法は、メリットよりデメリットの方が大きいのではないかと考えます。
ロボットの元来の重心の高さと、脚部に要求される運動量を考えると、姿勢制御の反応が緩慢になるデメリットばかりが目立ち、安定性はそれ程上がらない、という結果になるのでは無いでしょうか。急な衝撃に耐えて踏ん張るロボットというのはいくつか存在し、ASIMO以前の非常に古い時代には、足を大きくして重心を低くし、踏ん張る力を獲るというタイプも存在しました。しかし、今現在では、安定性の高いロボットというのは、むしろ脚部が軽く、素早く踏ん張る姿勢を取れるロボットばかりになっています。

>肩ほどの強い衝撃は受けないであろうと判断し
ロボットに何をさせるか、どんな武装を持たせるかという問題になりますが、恐らく腕部より股関節の方が受ける負荷は大きいのではないでしょうか。
以前の記事の緩衝機構を取り付けた場合でも、「関節の向きが衝撃の方向に対して垂直から遠い程」、関節部に回転運動の負荷として衝撃が逃げてしまいます。当たり前の話ですが、例えば地面からの衝撃であれば、脚を真っ直ぐ突っ張った状態であれば、関節の側に逃げる衝撃はほぼ0に近いという話ですね。
動歩行は連続した転倒を、前に踏み出した足で支える歩行法ですから、関節と衝撃の向きは30~45度程角度がついており、着地の衝撃の半分は、回転運動になって股関節に伝わると考えられます。

今回も反論だらけのコメントで申し訳ありません。
割と遠慮無く好き勝手に長文を書いてしまっていますが、自重が必要なら遠慮無く言って下さい。

No title

お久しぶりです。
ヤバイ、専門外だ。コメできん;

体育座り、なんかのの字書いてる姿が浮かびますが、確かにコンパクトですね。
シュールでもありますが。
機構についての知識が大丈夫じゃない、大問題だ、ですがそれに関しては寧ろこちらの説明で補って……いきたいなぁ。

>どうした王子
なち子さんに頭部圧搾されるポジションはおれのものだ、おれだけのもn(ry

>看板娘ではない子(略してナイ子さん ハイテナイ的な意味も込めて
実はトップ絵のネーちゃんでは? と思っていたが改めて見ると違うらしい。
一応はいてるんですね、前バ(ピーピーピーボボボボ

>おっさん横顔
たまに味の濃さそうなオヤジが出ると気が引き締まります。
というわけで、次回は一佐でバリバリの前線指揮官っぽいおっさんとタートルネック副官のヨウジョがそれぞれの服装を交換して、片や袖あまり幼女、片やぱっつんぱっつん胸筋が素敵です一佐、的な絵図はどうだろう。いや、なんでもない。

Re: No title

>>三頭兵氏

>関節の軸に内臓される油圧構造」

失敬しました、パワーショベルのクローラの駆動機構という私の例えが悪かったであります。
要するに単純な物だと、円筒形の中に円の中心点からバルブを伸ばし、左右から油圧を掛けるという機構という事でよろしいでしょうか(確かに言葉にするのが難しいですな・・・)。
この機構なら私の案よりもかなりシンプルに、かつ「受け」側のシリンダにあたる部分が大きくなるためポンプ側に要求される圧力の条件も楽になりそうですな。


> ロボットの脚部の重心を低くする事によって安定性を高めるというという手法は、メリットよりデメリットの方が大きいのではないかと考えます。~今現在では、安定性の高いロボットというのは、むしろ脚部が軽く、素早く踏ん張る姿勢を取れるロボットばかりになっています。

搭載武装にもよるでしょうが、いわゆる小火器や人間が扱うレベルの重火器を扱うならそれで良いと思います。
ただ、機関砲や強力な徹甲弾を扱うなら事情は違ってくると考えられます。
強力な武装だと踏ん張る姿勢を作るだけでは射撃精度を求められませんし、連射能力に秀でた武装を搭載するなら、根本的な安定性がないと姿勢制御だけではカバーできなかったり、できたとしても射撃中の行動に大きな制約が生じてしまうかもしれません。
「ならば人間レベルの火器で良いのでは?」という考えもありますが、そうしたら人型兵器の存在意義が問われてくる危険もあります。簡単なパワードスーツなら機動性と積載力をアップできる装備として重宝できますが(実際にロッキード社が開発しとるそうな)、SF作品に登場する大それた物の場合は、装甲、火力ともに人間に対してアドバンテージがある上で、人間や他の兵器には出来ない特殊な作戦がとれるくらいでないと高いコストに対して見返りが少ないため、必要ないと判断されかねませぬし。
・・・とわいえ今のところ人間の形をした機械が銃を撃つなんて実験が無いので、結論は「どうとも言えない」に落ち着いてしまいますが・・・誰かロボットにM16でも持たせてみてくれないかなァ。


>肩ほどの強い衝撃は受けないであろうと判断し

人間が銃を撃つ際、衝撃はまず肩で受けとめるという考えからこう判断させて頂きました。
ハンドガンはヒジ関節を伸ばして肩で直接受け止める形で撃ちますし、両手が必要だったり衝撃が強くて腕を曲げたりするアサルトライフル等にはストックが付いとります。
射撃する際は可能な限り姿勢を固定させて精度を高めるという考えですな。もちろん火力次第では骨格を損傷させないために(また無人機でなければ操縦者への負担を和らげるために)この概念から離れなければなりませぬが。
「関節の向きが衝撃の方向に対して垂直から遠い」という概念も一理ありますが、股関節に衝撃を受ける際、先に股関節に届くまでの関節が衝撃を若干ながら吸収しています。その後股関節が衝撃を吸収、ヒザ関節に残りの衝撃を伝えていく訳ですが、腕は股関節よりもだいぶ手前(銃器の直後)で衝撃を受け止めとる訳ですから、腕にかかる衝撃も大きいと思います。
素人が銃を構えて撃って、肩や腕の筋肉を痛めるという話はありますが、それよりも先に股関節を痛めるという話はなかなか聞きませんからな。
とんでもない火力の武装を腕に装着したら、後ろにすっ飛んでいくか、腕が吹き飛ぶかでしょうし。その場合は腰や背中に取り付けるのが無難ですな。
そういった意味ではむしろ大火力の武装のほうが股関節への心配は大きくなると思います。
アーケードゲームの「ボーダーブレイク」にて背中に装着された榴弾砲を撃つとき、しゃがみの体勢から砲撃モードに移っても必ず中腰に立て直すという描写がありますが、こちらは「固定させて精度を高める」ではなく「衝撃を緩衝させる」という目的だというのがよくわかります。


> 自重が必要なら遠慮無く言って下さい。

いえいえとんでもない、むしろそういった真面目な意見を当ブログにおいて頂けるというのは嬉しい事であります。
もちろん気楽な意見やちょっとしたジョークが交わされるのも楽しいのですが、話の内容がある程度専門的である以上、「こうしたほうが良いんじゃないかな」とか「こういう手段もあるのでは?」という様な意見交換もしていかないと考察する上での視野が狭まってしまいますし。
そもそも当ブログはそういった意見があったればこそ今の形態を維持できていますからな。
たぶんコメント欄の次第によっては今とまったく違うブログになっていたやも知れませぬ。

Re: No title

>>コヨミ様

> ヤバイ、専門外だ。コメできん;

大丈夫、年末年始は一般受けする記事になると思います、多分。


> 体育座り、なんかのの字書いてる姿が浮かびますが、確かにコンパクトですね。

アニメだとTAがこの方式で格納されとりました(またガサラキか)。腕は組んどりませぬが。


> なち子さんに頭部圧搾されるポジションはおれのものだ、おれだけのもn(ry

とあるゲームにアイアンクローが得意なヒロインがいてだな・・・そのヒロインは主人公ではなく自分の弟にしかアイアンクローをやってくれないんだ・・・あの時はホント参ったよ・・・


> 一応はいてるんですね、前バ(ピーピーピーボボボボ

コッ・・コラなんて事を言うんですかあ!!
絆創膏だなんて、えっちい話禁止ですよ!もう!
(まてよ私が春画をコソコソ描いている事がバレているのか?じょ、冗談じゃ・・


> というわけで、次回は一佐でバリバリの前線指揮官っぽいおっさんとタートルネック副官のヨウジョがそれぞれの服装を交換して~

いえいえやっぱりおっさんは背広かパンツ一丁ですよ!(それもなんか違う

No title

まずは明けましておめでとうございます。

>>ロボットの脚部の重心を低くする事によって安定性を高めるというという手法
>機関砲や強力な徹甲弾を扱うなら事情は違ってくると考えられます
例えば、ロボットに第三世代クラスの戦車砲やアヴェンジャーの様な巨大機銃を扱わせるのなら、その様な特化した機構も必要になると思いますが、その場合犠牲になる要素が多過ぎるため、「その様な兵装はロボットには適さない」のではないかと思います。
戦車が重いのは、戦車砲の反動に耐えるためでもあるというのは有名な話ですが、その重量は主に装甲によって生まれているため、いわゆるデッドウェイトにはなっていません。しかしロボットの場合、脚部、しかも末端側の重量増は、ほぼ完全なデッドウェイトです。

ロボットと人間を混同するのは安易なため、あまり好きでは無いのですが(と言いつつ毎回やってる気がしますが)人間で言えば鉄下駄を履いたらどういうメリットとデメリットがあるか、で考えられると思います。

最初から大きな負荷を受ける事が解っている状況で、それに対して耐える姿勢を事前に取る事が出来る場合、例えば、「突風や激しい放水に対して転ばない様に耐えろ」なんて状況であれば、事前に立膝を着いて前屈みになる事が出来ますから、足にウェイトがあれば、それも大きな助けになるでしょう。

しかし、「突然突き飛ばされるのに耐えろ」という事になれば、突き飛ばされた逆方向に素早く足を出して転倒を避けなければなりません。鉄下駄が例えば10キロあったとしても、その程度のウェイトでは、倒れる体重全体を直立姿勢の位置のまま立て直す事は出来ません。この場合、足に何も無い方がむしろ転びにくいと考えられます。
また、歩いたり方向転換する場合にも、鉄下駄によって動作が緩慢になる上、エネルギー効率も下がります。仮にもっと足を重くして、足を素早く移動させて姿勢制御する必要が無い程脚部を重くしたら、恐らく脚部を用いるメリットが無くなる程動作が緩慢になるのではないかと思います。

結論として、脚部を常識の範囲で重くするメリットは、「事前に分かっている衝撃や負荷に耐えやすくする」という面だけに留まるのではないかと考えます。それ以外のデメリットを考えると、メリットに対して支払うリスクが大き過ぎるのでは無いかと考えます。

特定の状況下で、姿勢制御では対処出来ないレベルの衝撃に耐える様ロボットを設計するのなら、背部にアウトリガを設けるとか、四つん這いや尻餅の姿勢を素早く取れる様にするといった対処の方が現実的ではないかと考えます。

http://www.cg-site.net/products/40469
こちらは私の作品ではありませんが、背部にアウトリガを持つロボットの例です。

また、火砲の威力を上げるなら、運動エネルギー弾に頼らなくても、成形炸薬弾を用いれば良いですし、敵の回避行動に対処したければ、弾速を上げるよりもミサイルを使う方が現実的だと考えます。これらの兵器のデメリットは何より値段ですが、ロボットはそれ以上にコストパフォーマンスが悪そうですから、その点はある程度度外視されて良いのではないかと思います。コストパフォーマンスの悪い兵器にコストパフォーマンスの良い兵装を使わせるために、わざわざ性能を下げてしまっては、本末転倒ですからね。

>肩ほどの強い衝撃は受けないであろうと判断し
歩く事によって軸が受ける負荷(≠衝撃)と、砲撃によって肩が受ける衝撃のどちらが大きいか、という問題ですね。私はロボットに持たせる兵装については上記の様な考えなので、前提も変わってきてしまいますから、議論し辛い所ですね。

軸を直接回転させるタイプのロボットの関節の軸部分というのは、上体としてはメガネレンチで回されるボルトの状態に近く、歩行の際の着地の反動は、フレームがクランクの様に働くことで回転運動に変換され、てこの原理で非常に大きな力になって軸に伝わります。この場合、膝関節部分、あるいは脚部の末端が力点、軸の中心点が支点、軸の径が作用点ですから、フレームに対して軸の径が小さい程、てこの原理は大きく作用する事になります。数トンのロボットが動歩行する股関節のピッチ軸の軽としては、ちょっと頼りないのではないかと感じました。

普段コメントする場合は何度か読み返して問題が無いかチェックしているのですが、今回はちょっとその辺りがいい加減なので、何かおかしい所があったら済みません。

Re: No title

>>三等兵氏

あけましておめでとうございます。
自動車工学系(考え方も車両基準)ゆえにロボット工学知識はやや弱い点もございまするが、よろしければ今後もお付き合いいただけたら光栄でありまする。


> 例えば、ロボットに第三世代クラスの戦車砲やアヴェンジャーの様な巨大機銃を扱わせるのなら、その様な特化した機構も必要になると思いますが、その場合犠牲になる要素が多過ぎるため、「その様な兵装はロボットには適さない」のではないかと思います。

まあ確かに流石にGAW-8は適さないでしょうな、反動はおろかサイズ自体も搭載機であるA10の容積の5割近くを占める程でありますし。
個人的に考えとるのは12.7mmから20mmくらいの機関砲であります。
12.7mmを主装備とするなら反動は知れているため骨格はかなり運動性能に振った構造にできるやもしれませぬな。
ただ個人的には歩兵に高い脅威を与えつつ市街地でのトップアタックで戦車もおいしくいただけるくらいの武装が欲しいとも思うので20mm派であります(思考がアメリカ的だな私)。
使う機銃は航空機や戦闘ヘリ用の物を流用(必要に応じてカートリッジや連射速度は調節するとして)したチェーンガンやガトリングガンを搭載すればコンパクトに収まるでしょう。

もちろんグレネード等も搭載すると良いですね。対戦車としても効果は望めるし、指向性が無いぶん爆発系武装としては比較的軽量にできますしな。


脚部の重量に少し関連する事ですが、機体の脚部の設置面積は運動性とある程度両立できる程度に大きくないといかんと思います。
理由はもちろん地面に掛かる接地圧力の関係なのでありますが、人型だとやはりこれが非常に小さくなってしまうのが問題ですな。
地面に掛かる圧力が大きいという事は、火器はおろか戦闘環境を制限しかねませぬ。もちろん極端な不整地での戦闘能力などハナから期待しとるワケでもなく、むしろ限られた環境において高い戦闘能力を発揮し、苦手な環境における作戦は他の兵器に任せるというのが世の兵器の常でありますが(極端な話、戦車は空を飛べませんしな)、その限られた環境が本当に良い環境とは限りません。むしろ悪い環境が殆どでしょう。
たとえば路面ひとつにしても、舗装路だとアスファルト(コンクリート)の厚さ、舗装の悪さは戦地ごとにまちまちでしょうし、できれば建造物の屋根に上ってトップアタックが仕掛けられるような柔軟性も欲しいです。
そういった環境の下で歩行(走行)、射撃をするならば、地面にかかる圧力は軽減した方が良いと私は考えます。
(重量1.2トン程度のWRカーは雪道用にあえて細いタイヤを用意し接地圧力を高めてグリップを得ますが、その話は置いときます。)
足場の舗装が脆くて体制を崩したり、建造物の屋根に上ったとたんに足場が崩れるなんてのも困りますしな。

そういった理由で私は脚部面積を増加→脚部重量も増加といった考えに至ったワケでありますが、実際にどれくらいのサイズがいいのかは実際の戦車や装甲車を基準にしてもまだまだ結論にいた至りづらい所ですな。市街地に限定するとして接地圧力の許容量がどれほどかは解りませぬし、そもそも歩行時に常に接地面積が変化しますし。また重量しだい(積載量にも影響しそう)で大きく接地圧力は変化しますからサイズもソレに合わせる事になりそうですしな。
軽量に設計するに至れば運動性能に優れた小ぶりな足になる可能性も十分ありうるとも思います。


> 、敵の回避行動に対処したければ、弾速を上げるよりもミサイルを使う方が現実的だと考えます。これらの兵器のデメリットは何より値段ですが、ロボットはそれ以上にコストパフォーマンスが悪そうですから、その点はある程度度外視されて良いのではないかと思います。コストパフォーマンスの悪い兵器にコストパフォーマンスの良い兵装を使わせるために、わざわざ性能を下げてしまっては、本末転倒ですからね。

ミサイル関係はランチャーの汎用性が高く、また電子機器はともかくとして複雑な機構が必要なく搭載できる点が強みですな。
歩兵用のジャベリンやスティンガーを搭載するなら戦地での互換性が広がる分、弾薬費も妥協できるレベルのものになると思います。他兵器と弾薬を共有できれば運用の幅が大きく高まりますしな。

問題は単発あたりの重量・サイズからくる装弾数の制限でしょうか。あまり搭載しすぎると自慢の運動能力が殺されてしまうので、単発あたりの重量が軽く、装弾数を稼げる武装と組み合わせれば良いでしょうな。

あとグレネードもそうですが、戦車や装甲車両のように安全なコクピット内に収めてはうまく活用できないと考えるので(いちいち乗り手が外にでて発射するのも億劫ですし。ガンダムUCであったケド)、基本的に外装周辺に取り付ける形とするなら、それを的にされるのが怖いですな。
ミサイルポッドが外側に取り付けられとる兵器は近距離戦闘しないからですし、搭載位置の工夫と安全管理が求められます。
個人的には腕部内に収めてしまうのが良いとも思います。腕部なら壊れても他の機能への影響が少なそうですし。
またECMやスモーク等のかく乱系装備も市街地戦においては必要不可欠になるでしょう。TAカッコイイよTA(またガサラキか)
持続力のなさそーな人型兵器で短期決戦を挑むなら特に求められる装備ですな。


> 軸を直接回転させるタイプのロボットの関節の軸部分というのは~数トンのロボットが動歩行する股関節のピッチ軸の軽としては、ちょっと頼りないのではないかと感じました。

その気持ちはわかります。かくいう私も絵を描いてて頼りないと感じたくらいですし(オイ
トルクレンチを占める際、ネジレが発生して締め付けトルクに影響するためエクステンションをリレーしてはいけないくらいでありますから、この機構も信用できるかはわかりませぬ・・・


> 普段コメントする場合は何度か読み返して問題が無いかチェックしているのですが、今回はちょっとその辺りがいい加減なので、何かおかしい所があったら済みません。

いえいえ私も実際のところ読み返しが甘いタイプの人間なので、むしろこちらの方が毎回ズレた回答をしているのではないかと心配になるくらいであります(実際にズレてしまった時は申し訳ありません)。

今年もロボット工学談義に花を咲かせていきたいところであります。
プロフィール

砂漠の狸

Author:砂漠の狸
リアルメカに浪漫を感じるナチスの策士。
・・とか言いつつナチ党には所属していないロンメル将軍やガラント中将のお友達(と本人は勝手に思い込んでいる)。

「人型兵器」をはじめとした架空の機械の構造、有効性を構想・考察・探求し続ける男で、変態技術者フェルディナント・ポルシェ博士の部下だったとか、トリープ・フリューゲルのテストパイロットを担当したとか、英に潜入してパンジャンドラムの設計に関わったとか、様々な都市伝説を持つが、その真相は定かでは無い(え?トリープとか何言っとるのかわからんだって?ググッてみよう!!)。

また昨今はひた隠しにしていた自動車への趣味も露呈している。ビアルベーロの意味が解るくらいの車好きならたぶん話が合う。

趣味はメカニックデザイン。オリメカを投稿しつつ当ブログにて解説していく予定。
今は現代社会の軍事思想をテーマにした同人マンガを作る際にメカ設定を利用しようと計画中。
良くプレイするゲイムはアーマードコア。ボーダーブレイクもちょくちょくやっている。

ちなみにサムネは全然関係ない人である。

軍事ネタ好きな方、珍兵器好きな方、メカ好きな方、とにかく当ブログに興味を持った皆さん、宜しくお願いします。

連絡先はコチラ(どこを直せばいいかは・・・判るな?)
giulia-superアハトマークm8.gyao.ne.jp




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